産総研 矢崎総業と協力協定 次世代自動車部品を開発

 産業技術総合研究所(産総研)は、自動車部品メーカーの矢崎総業(東京都港区)と次世代自動車部品の研究開発や人材育成で協力協定を締結した。産総研の先端技術の開発力と矢崎総業が得意とする自動車部品の開発力を組み合わせることで、自動車部品の新技術開発を目指す。

 産総研がホームドクター型コーディネータ(HD型CDR)と呼ばれる技術者を矢崎総業に派遣し、HD型CDRは、矢崎総業の技術開発ニーズをくみ上げながら次世代自動車部品などに関する研究開発課題を企画・立案し、数年後の実用化を目指す。

 HD型CDRの派遣によって新技術・部品の研究開発を行う。今回のような協定は産総研にとって初めてのケースとなる。

 両者は連携課題の検討や研究の進捗(しんちよく)状況、管理などを行っていくため、定期的に連絡会を開催する。HD型CDRが企画・立案した研究開発課題は連絡会と矢崎総業の技術審議会に提案し、承認された課題を共同で研究したり、産総研が受託研究を行う予定だ。研究成果で得られた知的財産権は両者で共有する。

 また、人材育成の面でも協力し合う。今回の協定ではポスドクと呼ばれる博士号を取得後、産総研などの研究機関でプロジェクト研究などにあたる若手研究者を今回の連携研究に従事させるため、矢崎総業にとって将来の優秀な人材採用につなげられる利点もある。

 年内に数件の連携研究を開始する。協定期間は5月1日から2010年3月31日までだが、研究成果次第で協定期間を延長できるとしている。 ]