仕事がない!就職に困る大学院生支援サービス開始へ

 学生マンション紹介業務を行う「学生情報センター(nasic)」は京都大学と連携して、ポスドクの就職支援業務を16日から始めることを発表した。

 これまでも学生にアルバイト情報を提供したり、芸術を志す学生のためのギャラリーを設けるなど、多岐にわたるサービスで幅広い層の学生をサポートしてきた学生情報センターだが、今回は、博士号取得後に安定した職のないままでいる「ポストドクター(ポスドク)」の支援に乗り出す。

 はじめは京都大学との連携でサポートを行うが、今後東大などポスドクを多く抱える他の大学とも連携したいと西尾謙社長は述べる。「ポスドク余り」は高学歴にもかかわらず安定した職に就けない人材が増えている日本固有の問題で、近年目立ってきている。

 これまで東大などは、就職支援により有望なポスドクが企業に流出してしまうのではないかという懸念から、積極的な大規模就職支援活動を見送っていた経緯がある(大学関係者)。学生情報センターのホームページには東大学長の小宮山氏のインタビューなども掲載されており、今後東大が学生情報センターと連携した組織的かつ大規模な就職支援活動に乗り出せば、改革が大きく進むことになる可能性があるという。

 学生情報センターではこれまでに、京都大学に所属する約1200人のポスドクの「履歴書ホームページ」として、プロフィール、研究成果、所持特許など企業側の求める情報を掲載したウェブページを作成する。内容は応募しているポスドクが随時編集・更新することができ、ウェブページを見た企業側から、採用を検討したいポスドクにメールで直接連絡を取れる。